知っているようで
意外と知らないノートに
まつわる豆知識をご紹介します
- 『再生紙』とは
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近年ゴミの増加が問題になってきて、ゴミを減らすために家庭やオフィスから出る紙ゴミ(古新聞、古雑誌、不用書類等)を有効利用する必要がでてきました。
そこで、回収された古紙を溶かしてもう一度紙に仕上げたものが『再生紙』です。『再生紙』は実は、資源保護やゴミが問題になる以前から日本では数多く使われてきました。
身近なものでは新聞紙や段ボール箱がそうです。
国内での古紙の利用率は60%を越えており、日本は世界でもトップクラスの古紙利用国なのです。
ただ、ノートや学習帳には「書きやすい」「インキがにじみにくい」(これを筆記特性といいます)といったものが要求されるので、以前は再生紙が使われていませんでした。
日本ノート(当時はアピカ)は王子製紙との共同研究によって筆記用中性再生紙の開発に成功、平成2年(1990年)に国内で初めて中性再生紙を使ったノートを発売しました。
以来研究を続け、今では古紙配合率100%の再生紙を使ったノートや学習帳を発売しています。
- 『中性紙』とは
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明治時代以降、日本では「和紙」の生産はほとんど行われなくなり、かわって「洋紙」の製造が盛んになりました。しかし近年になって、そのころの洋紙を使った本や書類は長期間おいておくと黄ばんでボロボロになってしまうということがわかってきました。そのころの洋紙が酸性の紙だったため、空気中の水分と反応して酸化してしまうためです。それを防ぐために開発された紙が『中性紙』です。
当初中性紙は書籍を中心に使われましたが、日本ノート(当時はアピカ)は王子製紙と共同で『筆記用中性紙』を開発、昭和59年(1984年)に日本で初めて中性紙を使ったノートを発売しました。
現在では、国内のほとんどのノートメーカーが中性紙を採用しています。
- ノートって、各国の言葉で何て言うの?
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英語:Notebook
中国語:笔记本
韓国語:노트
フランス語:Un cahier
ドイツ語:Notizbuch
スペイン語:Cuaderno
イタリア語:Quaderno
- 紙の厚さの単位は?
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紙の厚みは、通常1平方メートルあたりの重さ(g/m2)で表示します。これを坪量と言います。
また、単に紙の厚みで表示されることがあります。単位は、ミリ(mm)または、ミクロン(μm)<1μm=1/1000mm>で表示されます。これを紙厚と言います。
日本工業規格(JIS)では、ノートと学習帳の中身原紙の斤量は、70ℊ/㎡以上となっています。
- 無線綴じなどの製本方法について教えて?
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製本方法例ノートの製本方法は主に「無線綴じ」「糸綴じ」「リング綴じ」に分けられます。
「無線綴じ」は接着剤で背を固めて製本する方法です。
「糸綴じ」は見開きの中心を糸で綴じて製本する方法です。耐久性に優れていますが、ページを破ると反対側のページも取れてしまうので注意が必要です。
「リング綴じ」はワイヤーリングで綴じて製本する方法です。ノートを開いたときに完全に平らな状態になりますし、あるページを一番前に見せることもできます。機能的ですが、ワイヤーリングの分だけ厚くなります。
- ノートが使われる前は、どんな物を使っていたの?
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古くは、約5,000年前の古代エジプトで「パピルス」という草を薄くかさねて紙のようにしたものが使われました。また、同じく古代チグリス・ユーフラテス文明の頃(現イラク)「粘土板」(ねんどばん)が使われていました。中国や日本では、紙が発明されるまでは「木簡」「竹簡」「絹織物」といって木や竹、絹でおった布が使われていました。ヨーロッパでは、「羊皮紙」(ようひし)といって、羊の皮を石灰の液にしばらくつけたあと、毛をむしりとって、木の枠に張って広げて乾かし、表面を薄く削りとってなめらかにして、さらに軽石の粉などでみがいて作ったものが使われました。
中国で植物せんいをとりだしてすきあげるという現代の紙の原形が発明されてからは、日本では「和紙」という手ですいた紙を巻紙にしたり糸で綴ったものをノートのかわりに使われていたようです。
- ノート表紙に書かれているA罫やB罫ってなに?
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ノートの中に引かれている罫線の種類です。A罫が7mmでB罫が6mmです。A罫の方が罫線の間隔が大きいため、大きな文字で書くことができます。
- 紙はなぜ長方形なの?
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白銀比縦の長さと横の長さの比率が「白銀比」と呼ばれる「縦:横=1:√2」となっており、古来より美しい比の形として好まれてきました。また、どの大きさの紙を作るにしても裁断にロスが出ないメリットもあるようです。
- 日本では、いつ頃からノートが使われるようになったの?
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和紙を綴じた雑記帳は、古くから使われていましたが、現在の洋紙を使った大学ノートが、日本で作られ売られたのは、明治17年頃に当時、東京帝国大学(現東京大学)前にあった「松屋」という洋書店が、イギリスから筆記用紙を輸入して糸で綴じ合わせノートの形にして、大学生向けに売り出されたのが始まりと言われています。イギリスから輸入した紙でアルファベットを書きやすいように罫線が横に入っていたので横書きノートであったと言われています。
- ノートの大きさはどうやって決められているの?
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ノートの大きさは、日本工業規格(JIS)で決められています。
よくB5判と言われているサイズは、実際は179×252ミリで紙のサイズ(182×257ミリ)より小さい大きさになっています。
JIS規格では、学用3号、6号と呼ばれています。
- 紙って何から出来ているの?
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ほとんどの紙は木から作られます。
木を細かく切ってチップ状にし、すりつぶしたり薬品で煮たりしてパルプという物を作ります。
よくほぐしたパルプを水でうすめて、うすく流してかわかすと、紙ができあがります。
- A判・B判ってよく聞くけど、実際はどれくらいの大きさ?
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Aサイズ(mm)
A0 841×1189 A1 594×841 A2 420×594 A3 297×420 A4 210×297 A5 148×210 A6 105×148 A7 74×105 A8 52×74 A9 37×52 A10 26×37 Bサイズ(mm)
B0 1030×1456 B1 728×1030 B2 515×728 B3 364×515 B4 257×364 B5 182×257 B6 128×182 B7 91×128 紙のサイズ紙のサイズは 日本 工業規格(JIS規格)よりA判とB判の2種類が規定されています。
A判は国際規格でB判は日本国内の規格です。